フィニッシュ カイロ 脳身研究所のblog

このブログは元JSC日本カイロプラクティック師協会会長と現九州カイロプラクティック同友会の会長、そして現日本カイロプラクティック徒手医学会副会長である荒木寛志が思いのままにつづるものです。 カイロプラクティック施療についての技法、セミナーについても予告や解説を行います。 皆さんが色々な世界を知って大きな視野を持ち、沢山の人々のお力添えになれれば幸いです。

耳鳴りや指のシビレ。
多い訴えですね。

耳鳴りは耳鼻科、指のシビレは整形外科に行かれることが多いと思います。
でも、中々緩解しない事も多いようです。

我々に出来る事と言えば、次を思い浮かべます。
①耳鳴り
頭頚部の圧の緊張の緩和。
 →筋肉へのアプローチ。

聴覚路の流れの回復。
 →空間や頭蓋内の圧の調整。

②指のシビレ
頸部椎間孔の回復。
斜角筋などの頸部筋の緊張の解放。
当該指に関する筋緊張の解放。

しかし、
体幹や下肢の安定がしっかりしていないと、緩和への道は遠いみたいです。



症例:20代女性 (9581)令和4年8月3日 再診
主訴:右耳鳴り、右第1~3指のシビレ、右仙腸関節痛。
現病歴:7月29日にペンで書字をした後に発症。
 右耳鳴りは高音に響いており、コメカミや眼がボヤッとする。
 指は常時シビレが続く。
 坐骨付近の仙腸関節が痛む。

所見:右胸鎖乳突筋の緊張あり。
 右方形回内筋の緊張あり。
 右上下第4歯の圧の異常あり。

施術
伏臥位で空間から脊柱をつかむ。
 →殿筋とハムストリングスの緊張が消失。
右下肢の動脈の緊張を開放。
 →動脈の緊張が会報されると、下肢全体の筋緊張が消失する。
側臥位で肩関節と股関節のバランス調整。
 →肩関節周囲の緊張が解放され、肩関節の分回し動作の引っ掛かりが消失。

右胸鎖乳突筋を摘まんで停止部に向かって擦る。
 →緊張していた胸鎖乳突筋がふにゃふにゃになる。
緊張している右方形回内筋の表面にある皮膚にタッチ。
 →緊張が消失してシビレ消失。

頭部に移って良く観ると、
右の上下第4歯の圧が合っていない。
 →これは口元を頭方から観察すると、膨張・収縮が出来ていない部位があります。
 →検査法として、片側づつ噛み締めてもらい筋力テストをすると弱化します。
 →その歯に対して顔面(上顎・下顎)にタッチするだけ。
 →噛み締めても筋力テストで弱化しなければOK.

海綿静脈洞の解放。
 →頭蓋内の圧調整。

2回目(6日後)
仙腸関節の症状は消失していました。
右指シビレと右耳鳴りはかなり減少していました。

座位で右斜角筋にタッチ。
 →タッチしたら間もなく弛緩して頭部が左へ倒れます。
 →胸鎖乳突筋と斜角筋の2つを調整すると頭部への循環が良くなるようです。

前回同様に側臥位で肩関節と股関節のバランス調整。

仰臥位で足のサイズを観ると右が1.5㎝長い。
 →前回見落としていた!m(__)m
仰臥位で右外閉鎖筋にタッチしたまま、第1中足骨の皮膚にタッチ。
 →外閉鎖筋の圧痛が消失して、足のサイズが整う。

右耳動脈のリコイル。
右輪状縫合に圧痛があったので、皮膚タッチ。
 →圧痛消失。
右上腕動脈リリース。
右指骨間筋のリリース。

蝶形後頭底結合と海綿静脈洞の解放。

考察
今回の指のシビレと耳鳴りは思ったより軽症でした。
書字の時に、歯を食いしばっていたのかもしれません。
指や耳などの問題でも、全体を観てから施術部の選択が必要と感じています。

1つの外傷でも数年、何10年と掛かって、身体の歪を起こすケースが多いです。

完。

このお盆の時期、
甲子園での高校野球が賑わいますね。

中学生も大会が盛んに行われます。
選手たちにとってケガは禁物。

今回はデッドボールでの外傷です。
お盆なので、サービス!
今回の解説は少々細かく説明しています。


症例:中学生男子 野球部(ピッチャー) (9663)令和4年8月1日 再診
主訴:右肩痛
現病歴:2週間前に右肩甲骨にデッドボールを受けた後に、右肩が挙がらなくなる。
所見:他動右肩関節外転90度。左脚内旋硬い。

施術
左膝窩動脈、前脛骨動脈を内旋にリリース。
 →左脚内旋の可動域が右脚と同じになる。
★脚全体の内外旋が硬いと、股関節に眼が行きがちですが、膝下の下腿部に注目しましょう。
 →多くは関節問題よりも、動脈が硬くなって下腿部の筋肉が緊張している事が多いです。
 →筋肉をほぐしても、動脈が硬ければ直ぐにまた硬くなります。
 →筋肉に栄養が十分に行き渡れば、結構持ちます。

側臥位で、肩関節と股関節のバランスを調整。
 →調整と言っても手でゴチャゴチャするのではなく。指を乗せているだけ(笑)
 →30秒ほどで肩の可動域がグンと良くなります。

肩甲骨部背面の外側腋窩裂(四角隙)から出る後上腕回旋動脈をリリース。
「肩甲骨はがし」のように、肩甲骨と肋骨のスペースを作る。
 →かなりへばりついていて、肩甲骨が浮かない。

大小後頭直筋の緊張あり。
 →以前にも書きましたが、筋肉の皮膚を軽く伸ばすと良いです。
 →私は硬膜静脈洞の静脈の流れを良くする方法で、後頭下筋群の緊張を解消しています。

右大胸筋鎖骨部の緊張を皮膚の調整で取る。
 →投球フォームでの痛み消失。

2回目(9日後)
まだ少し痛むという。
右肩外転が120度でロックする
立たせて背面から観る( 一一)
すると、左脚(腸脛靭帯)がまだおかしい。
左腸脛靭帯をサッと擦ると、右肩外転で腕が耳に着く。

この腸脛靭帯(大腿筋膜張筋)や大腿直筋、外側広筋の緊張は良くあります。
 →以前にも書きましたが、この大腿直筋はクセモノです!
 →大腿直筋は起始部が3第1~第3まで3つあります。
 →この第3頭は小殿筋と腸骨大腿靭帯に付着するので大事な所です。

以前は、足の舟状骨の皮膚調整で解消させていましたが、
勉強会でやらせてみると、案外と難しいらしいです。
そこで色々と探してみましたら、
多くに横隔膜脚の緊張があります。

技法
①仰臥位で術者は左横隔膜脚(腰椎1番から3番ぐらいのレベル)にタッチして緊張を確認する。
 →大抵は緊張があるので痛がります。
 →これは脳に気づかせるために行うものです。  
 →脳が気づくと治りやすいです。
②対側の小指球で腹部の緊張部に軽く素早いトルクで圧を掛けます。
 →1か所ではなく、数カ所あります。
③多くは対側の右側にも緊張があるので、手を右横隔膜脚にタッチして同じく行います。
④これで、腸脛靭帯(大腿筋膜張筋)や大腿直筋、外側広筋の緊張は解消されます。


1回目と同じく側臥位で、肩関節と股関節のバランスを調整。
「肩甲骨はがし」はまだ硬い。
通常の肩甲骨はがしは肩甲骨の内側縁から指を入れて、
グリグリ指を入れていく事が多く観られます。
結構痛いので、多くの人は脇を締めてしますので、更に肩甲骨は浮き上がりません。
簡単に肩甲骨を浮かせる方法を教えます。

肩甲骨を簡単に浮かせるための技法
側臥位で、下部胸椎から腰椎まで横突起を前方に押し込むように可動性を付けます。
 →広背筋、腰方形筋、横隔膜にアプローチしている形になるかも。
 →案外と痛いですが、肩甲骨に指を入れるよりも耐えれます。
 →通常は側臥位でもパトリックテストの可動域が広がります。
 →股関節の可動域が広がると、並行して肩関節の可動域も広がります。
 →すると、すんなりと肩甲骨内側縁に指が入ります。
 →この時に、患者さんは「肩甲骨はがしは痛い」と先入観があるので、
とても優しく指を入れていきます。


鎖骨下動脈のリリース。
 →肩関節可動域が悪い場合、腕頭動脈と鎖骨下動脈の緊張を取る事がポイントです。

海綿静脈洞の解放。
最後に、小円筋の緊張が残っていたので、皮膚調整で投球フォームの痛みは解消。

考察
この学生は、デッドボール受けるまではコントロールが良かったらしいです。
外傷を受けると、いっぺんに崩れますね。
しかも、受けた肩だけでなく、下肢や横隔膜まで緊張が出てました。
ただ、臨床をされている先生方は見逃すことは無いと思います。
大事なのは、痛い所だけではく、
色々な所にも影響が出ることを本人と親御さんにも教える事です。

お母さんからのラインで、
昨日の14日に鹿児島で大会があったそうです。
そして優勝したそうです!
しかも、MVPに選ばれました(^O^)/
おめでとうございました。

完。


「めまい」という症状は、とても不安感が強いと聴きます。

①周囲が回る=末梢性
②自分が回る=中枢性(皮質)→予後は悪い。

この②中枢性でのポイントは、
頭頂-側頭領域の問題を疑う事もあるそうです(後述)

眩暈の種類:
公益社団法人 松阪地区医師会/健康アドバイス52『めまいの季節』 (matsusaka.or.jp)より。
R



症例:30代男性 会社員 (0530)令和4年7月30日初診
主訴:めまい、歩行でのよろめき。
現病歴:1週間前、食後に急に気分が悪くなり吐き気。
    →立ち上がったら身体が不安定でよろめいた。

所見:病院ではBPPVと診断される。
 頭位変換でのめまいは無し。ペン先を見てもらい上下左右の四隅での注視は眼振無し。
  ペン先を見ての追従性眼球運動(H検査)は追従できる。
 右下注視で筋力テスト弱化(左後半器官問題かも)。
 指鼻指テストは左がのろく正確性が無い(左小脳問題かも)
 対光反射は縮瞳がとても弱い。

 歩行はよろめくが左右差が分かりづらい。


施術
右小後頭直筋の圧痛強い。
 →筋緊張(圧痛)を消失させるには、当該筋の皮膚の伸びが悪い方向に軽く皮膚を滑らして待つ。
 →後頭骨の左回旋不良が改善。

海綿静脈洞の調整。

左上下肢の腱を打腱器で数回叩く。
 →脊髄小脳路からの左小脳賦活目的。

メガネの左レンズの表のエネルギー低下を消す。
施術後の歩行は少しマシになっている。


2回目(5日後)
ふらつきは70%改善したという。
右下注視で筋力テスト、指鼻指テストは正常。
左距骨タッチで全身のバランスを調整する。
側臥位で肩関節と股関節のバランス調整。
輻輳は顔面前3㎝までOKだった。

硬膜静脈洞の調整。 

施術後に歩行させると、かなり不安定さが無くなっていた。
終了。


考察:
問診と事前の検査で、左小脳機能低下かもと思われたが、
後頭下筋群の触診で圧痛が強いため、「頸を強く押したり揉んだりしませんでしたか?」
と尋ねると、以前から良く後頭下筋群を強く揉む事が多かったという。

従って「頚性まめい」を疑い施術を行った。
この頚性めまいは非常に多いらしく、我々が対応出来る事も多いと思われます。
ただ、中枢性のめまいなどの重篤なケースは注意深く問診と検査をして、
当てはまるならが、病院での検査を勧めなければなりません。


頚性めまい論文
頚性めまいの重要性 (jst.go.jp) 

完。



頭頂-側頭領域についてのお勉強
前庭入力は前庭皮質を活性化し、頭頂-頭領域が非活性化となる。
メジャーなどで検査するOPK刺激は頭頂-側頭領域を活性化し、前庭皮質を非活性化させる。
前庭情報は両側性に投射するが、機能的には右側(頭頂-側頭領域)。
右脳の障害により半側空間無視だけでなく、前庭感覚の統合不全。
「身体が漂い動き回っている」という患者がいたら、右頭頂-側頭領域の問題を疑え。




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