フィニッシュ カイロ 脳身研究所のblog

このブログは元JSC日本カイロプラクティック師協会会長と現九州カイロプラクティック同友会の会長、そして現日本カイロプラクティック徒手医学会副会長である荒木寛志が思いのままにつづるものです。 カイロプラクティック施療についての技法、セミナーについても予告や解説を行います。 皆さんが色々な世界を知って大きな視野を持ち、沢山の人々のお力添えになれれば幸いです。

「めまい」という症状は、とても不安感が強いと聴きます。

①周囲が回る=末梢性
②自分が回る=中枢性(皮質)→予後は悪い。

この②中枢性でのポイントは、
頭頂-側頭領域の問題を疑う事もあるそうです(後述)

眩暈の種類:
公益社団法人 松阪地区医師会/健康アドバイス52『めまいの季節』 (matsusaka.or.jp)より。
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症例:30代男性 会社員 (0530)令和4年7月30日初診
主訴:めまい、歩行でのよろめき。
現病歴:1週間前、食後に急に気分が悪くなり吐き気。
    →立ち上がったら身体が不安定でよろめいた。

所見:病院ではBPPVと診断される。
 頭位変換でのめまいは無し。ペン先を見てもらい上下左右の四隅での注視は眼振無し。
  ペン先を見ての追従性眼球運動(H検査)は追従できる。
 右下注視で筋力テスト弱化(左後半器官問題かも)。
 指鼻指テストは左がのろく正確性が無い(左小脳問題かも)
 対光反射は縮瞳がとても弱い。

 歩行はよろめくが左右差が分かりづらい。


施術
右小後頭直筋の圧痛強い。
 →筋緊張(圧痛)を消失させるには、当該筋の皮膚の伸びが悪い方向に軽く皮膚を滑らして待つ。
 →後頭骨の左回旋不良が改善。

海綿静脈洞の調整。

左上下肢の腱を打腱器で数回叩く。
 →脊髄小脳路からの左小脳賦活目的。

メガネの左レンズの表のエネルギー低下を消す。
施術後の歩行は少しマシになっている。


2回目(5日後)
ふらつきは70%改善したという。
右下注視で筋力テスト、指鼻指テストは正常。
左距骨タッチで全身のバランスを調整する。
側臥位で肩関節と股関節のバランス調整。
輻輳は顔面前3㎝までOKだった。

硬膜静脈洞の調整。 

施術後に歩行させると、かなり不安定さが無くなっていた。
終了。


考察:
問診と事前の検査で、左小脳機能低下かもと思われたが、
後頭下筋群の触診で圧痛が強いため、「頸を強く押したり揉んだりしませんでしたか?」
と尋ねると、以前から良く後頭下筋群を強く揉む事が多かったという。

従って「頚性まめい」を疑い施術を行った。
この頚性めまいは非常に多いらしく、我々が対応出来る事も多いと思われます。
ただ、中枢性のめまいなどの重篤なケースは注意深く問診と検査をして、
当てはまるならが、病院での検査を勧めなければなりません。


頚性めまい論文
頚性めまいの重要性 (jst.go.jp) 

完。



頭頂-側頭領域についてのお勉強
前庭入力は前庭皮質を活性化し、頭頂-頭領域が非活性化となる。
メジャーなどで検査するOPK刺激は頭頂-側頭領域を活性化し、前庭皮質を非活性化させる。
前庭情報は両側性に投射するが、機能的には右側(頭頂-側頭領域)。
右脳の障害により半側空間無視だけでなく、前庭感覚の統合不全。
「身体が漂い動き回っている」という患者がいたら、右頭頂-側頭領域の問題を疑え。




床に座ってから立てない。
時々聴く症状です。

つまり、
座った状態から片膝を立ててから、立ち上がる動きです。

こういう場合、どう観るか?
立てた側の足(脚)の問題なのか?
対側の足(脚)の問題なのか?

大腿部の筋力が弱いのか?
足関節の問題なのか?
 →では右左どっち側?


症例:70代女性 (5749)令和4年7月5日 再診 
主訴:床に座ってから右膝を立ててから立てない。左膝を立ててからは立てる。
現病歴:去年の12月頃から。
所見:左腸骨筋筋力70%、 左側大殿筋筋力70%
 左股関節屈曲・内旋・内転で鼠径部痛。
 腹部大動脈左凸。脊柱左凸。立位腰部伸展ROM↓(疼痛なし)


施術
伏臥位で空間から脊柱の調整。
 →大殿筋力正常になる。

腹部大動脈を左→右へリコイル。
腎動脈から下肢の動脈まで循環調整。
 →硬い動脈を優しく伸張させる。

側臥位にして肩関節と股関節の調整。
 →タッチのみ。
 →万歳で左短上肢-2cmが正常となる。
 →左側大殿筋筋力も正常となる。

施術後
私:立ってみて。
患:あ、立てた!(笑)

考察
最初の検査時に、右膝を立ててから立てないので、
左足(趾)で床をしっかりと押しているか?と尋ねたら、
押せていないという。

つまり、左足(脚)がしっかりと固定されていない状態みたいです。
体幹(四肢)のバランスをとったら、弱化していた腸骨筋が正常になった。
これで、左足(脚)の踏ん張りが出来て、立てるようになったのだと思います。

立てている側の足(脚)が弱っているように思えますが、
これが間違い。

腸骨筋の機能は、股関節屈曲と外旋ですが、
大腰筋と強調して脊柱の屈曲・伸展にも関与しているのかもしれません。
文献などには色々と書かれている様ですが、単独に筋力を調査した研究よりも、
全体的な動きに対して、どのように加担しているかを調べることが必要のように感じます。

しかし、利き手と利き足があるように、
左右均等というのも不均衡のようにも感じます。

動きには全体のバランスが大事です。

完。





アトピー性皮膚炎。
多くの方が悩む疾患。

その原因は様々。
何年もステロイド軟膏使ったりしても、寛解しないケースもあります。

症例:女児 10歳  3月26日初診(0398)
主訴:アトピー性皮膚炎、不眠
現病歴:幼児期からのアトピー性皮膚炎(喉、膝窩、肘窩)
所見:第1・5チャクラに元気がない。

施術
伏臥位で、患者の身体に向けて手を差し伸べる。
第1チャクラに元気がないので、肛門からエネルギーを入れる。
 →直接触ることはありません。空間からの施術です。
肩関節、股関節のバランスを調整。
頭蓋調整と眼の調整。

第5チャクラ(喉チャクラ)に元気がないので、何かの叫びがあるやもしれないと感じた。
 →左手を握って、心の叫びを聞く。
 →「父親の暴力を止めて欲しい」と聞こえる。

終了。

2回目(3か月半後)
アトピー性皮膚炎が激減していた!
寝付きも良くなったと。


まだ少し膝窩と肘窩にアトピー性皮膚炎があるので、
下肢と上肢の動脈調整。

考察
施術中、母親に聞いてみた。
私:この子のお父さんは厳しかった?
母:ええ。スパルタ教育でした。
私:暴力は?
母:それはありませんでした。ただ、言葉がきつくて…。

なるほど、
この子の心の叫びは「言葉の暴力」だったのかな?と思いました。

そして母親からは、
「初回の施術後に、自分の意見をハッキリと言えるようになり、活発になりました」

確かに、施術中でこの子に話しかけると、馴れ馴れしいぐらいに良く対応してくれた。
同じ子か?と思うぐらいでした。

子供は望みもしない部活やレッスンなどで心の叫びを抱くこともあるようです。
だから、喉チャクラに元気がなくなり、
アトピー性皮膚炎が発症したのかもしれません。

完。


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