膝関節の引っ掛かり。
スポーツしている人には良くあるトラブルです。
最悪、十字靭帯損傷と半月板損傷も視野に入れて検査と施術を行います。


症例:高校生男子 サッカー部 (9354)令和3年10月18日再診
現病歴:3日前に朝起きたら起立時に右膝窩に痛み。
 しゃがむと膝外側に痛みが出る。
所見:マクマレー・テストで内旋伸展で膝窩に痛み。
 膝窩筋筋力70%

施術
右足関節背屈で長軸に圧迫すると右膝で硬さを感じる。
 →鼠径動脈と膝窩動脈リコイルで解消。

第3楔状骨と立方骨の関節面の修正。
横隔膜を介して、胆嚢の動きを付ける。
 →膝窩筋筋力70% →95%になる。
 →更に膝窩にある足底筋の緊張が10→5になる。
膝蓋下脂肪体リリース

施術後の屈伸での痛みは殆ど変化なしm(__)m


2回目(8日後)
内側半月板リリースでマクマレー・テストの痛みが激減。
膝蓋下脂肪体リリース →しゃがみ少しマシ。
右腰椎上部の多裂筋リリース 
 →しゃがみの痛みが10→4となる。
足部を観ると第3・4中足骨底と立方骨に違和感を感じる。
  →第3・4中足骨底と第4中足骨底と立方骨の関節面周囲の皮膚を緩める。
  →しゃがみの痛みが10→1となる。

考察:初回は第3楔状骨と立方骨、2回目は第3・4中足骨底と立方骨。
立方骨周囲の問題が関係していると感じた。
立方骨は足部の外側部にあり、足部の「安定」を担う。
 →母趾側の内側部(ピンク)は「推進」を担う。

足部の機能分類

図:プロメタウス
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そこで、
私「靴は合っている?左右の違いはない?」
患「何か違います」
母「あ!あんた、この前、靴を新しいのに替えたよね!」

なるほど!
足のサイズは左右で違う人がとても多いです。
更に、靴の内部は縫製のやり方が左右で違う事も多いです。

つまり、脚のサイズと靴のサイズが上手く合っている事は結構難しい事になります。
靴紐である程度調整は可能ですが、
プロでない限り、そこまで気にしていない事が多いようです。

腰痛や股関節、膝関節のトラブルを持っている人の足のサイズは大抵5㎜~1㎝は差があります。
多い人で1.5~2㎝あることもあります。
これで左右同じサイズの靴を履いていると、何らかも問題が生じる事も頷けます。

この左右の足のサイズは、身体の使い方に偏りがあることを示します。
例えば、
左右のパトリック・テストで開きの差があるとか、
仰臥位で膝を立てて左右に倒すときに、倒れからの差があるとかで分かります。

この子の場合は以前から、
右よりも左が1㎝短かく、
右パトリック・テストで開きが悪く、
仰臥位で膝を立てて右倒しで倒れにくというタイプでした。

幾度か下腹部や鼠径部の修正をして、
左右の足のサイズも左右のパトリック・テスト、膝倒しの動きも同じになりましたが、
また再発してました。

足部の動きのバランスが上手く修正できていないと十分な成果は期待できないのかもしれません。

完。