フィニッシュ カイロ 脳身研究所のblog

このブログは元JSC日本カイロプラクティック師協会会長と現九州カイロプラクティック同友会の会長、そして現日本カイロプラクティック徒手医学会副会長である荒木寛志が思いのままにつづるものです。 カイロプラクティック施療についての技法、セミナーについても予告や解説を行います。 皆さんが色々な世界を知って大きな視野を持ち、沢山の人々のお力添えになれれば幸いです。

2013年03月

患;「頭痛がひどくて、めまいがして、うまく歩けないんですけど」
術「片麻痺がないから脳ではないです!それは頸椎が歪んでいますから、調整しましょう」
 →高速スラスト
 
 んぎゃー
 
激しい頭痛と回転性めまいは小脳出血の疑いあり。
そして片麻痺は起りません。
最悪死にます。

脳卒中とは、「脳血管障害」とも呼ばれ、脳の血管が詰まったり、脳の血管が破れることで出血してしまう病気のことです。
脳卒中という言葉は、病名というよりも、脳の血管の障害により、手足の麻痺や意識障害などの様々な症状がある状態を意味しています。
 
脳卒中は、脳の血管の障害の起こり方によって;
①「脳の血管が詰まる脳梗塞
②「脳の血管が破れる脳出血・くも膜下出血
③「脳動静脈奇形の破裂による出血」
④「脳腫瘍による出血」
④「一過性の脳の循環障害(TIA)」など、いろいろな種類があります。
 
脳卒中の中でも患者数がいちばん多いのが脳梗塞で、脳卒中全体の約75%を占めているとされています。

脳出血(脳内出血)
 
脳出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、大脳、小脳および脳幹に出血した状態をいいます。そのために意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れます。
血腫が大きくなると脳浮腫によって頭蓋内圧が高くなって脳ヘルニアを起こし、重い場合は脳幹部が圧迫されて死に至ります。
近年、脳出血の死亡数は減ってきましたが、その最大の理由は高血圧の内科的治療が広く行きわたり、血圧のコントロールが十分に行われるようになったためと考えられます。また最近、脳出血は軽症化していますが、運動障害や認知症(にんちしょう)などの後遺症で悩む患者さんが多いのも事実です。
 
原因高血圧が原因で起こる脳出血が最も多く、全体の70%を占めます。
血管の病変をみてみると、脳内の100〜300μmの細い小動脈に血管壊死という動脈硬化を基盤とした病変ができ、これに伴ってできる小動脈瘤の破裂が脳出血の原因になります。
そのほか、脳動脈瘤、脳動静脈奇形の破綻、腫瘍内出血、脳の外傷、白血病などの血液疾患が原因になります。高齢者では血管の壁に老人性変化のひとつであるアミロイドが沈着して脳出血の原因になることがあります。
 高血圧性脳出血を部門別にみてみると、最も頻度が高いのは被殻出血(40%)と視床出血(35%)で、この2つが約4分の3を占めます。次いで皮質下出血(10%)、橋出血(5%)、小脳出血(5%)、その他(5%)と続きます。
発症時期は冬期に増大し、夏期は減少します。発症時間帯は朝7時と夕方5時に多いとされています。
 
症状
一般的には頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺が多くの患者さんにみられます。出血部位および血腫の大きさにより症状は違います。慢性期になっても何らかの後遺症を示す患者さんも多くみられます。
(1)被殻出血
 片麻痺、感覚障害、同名性半盲(両眼とも視野の片側半分が見えなくなる状態)などが主な症状で、進行すると意識障害がみられます。優位半球(通常左半球)の出血の場合では失語症もみられます(図6)。
(2)視床出血
 片麻痺、感覚障害は被殻出血と同じですが、感覚障害が優位のことがあります。視床出血では、出血後に視床痛という半身のひどい痛みを伴うことがあります(図7図8)。
(3)皮質下出血
 頭頂葉、側頭葉、前頭葉などの皮質下がよく起こる部位です。症状は、出血する部位に応じて違いますが、軽度から中等度の片麻痺、半盲、失語などがみられます。
(4)橋出血
 突然の意識障害、高熱、縮瞳(2mm以下)、呼吸異常、四肢麻痺(ししまひ)などがみられます。大きな橋出血の場合は予後が不良です。
(5)小脳出血
 突然の回転性のめまい、歩行障害が現れ、頭痛や嘔吐がよくみられます。
 
診断
脳出血は頭部CTにより容易に 確定診断 が可能です。
脳梗塞 では発症後2~3日経過しないと低吸収域( 梗塞巣)が検出されない。
しかし脳出血では発症直後より高吸収域として出血がとらえられます。
症状や経過だけからは脳梗塞 と区別がつかないことも多く、適切な治療を行うためには必ず頭部CTによる診断が必要です。

覚えておきましょう。
 
癌は急には死にません。
出血は最悪その場で死にますから…

患;脚が痛くて力も出ません
術;あ~、それ腰ですね!腰の骨を整えます。
 →高速スラスト
 
お~怖ーいい
 
 
脊髄腫瘍(脳神経外科疾患情報ページより)
 
解剖学的には脊髄、神経根、馬尾神経、くも膜、硬膜および脊椎管内組織や脊椎に発生する腫瘍であす。
発生する頻度は10万人あたり1~2人で、脳腫瘍の1/5~1/10程度と比較的珍しい病気です。
 
脊髄腫瘍はは発生する場所により三つに分類されます。;
A;硬膜外腫瘍;硬膜の外側(脊椎を含める)にできて硬膜の外から脊髄を圧迫するもの。
 →悪性の転移性腫瘍が多い。
 →早期に疼痛と知覚脱失が出現する。
B;硬膜内髄外腫瘍;硬膜の内側で脊髄と硬膜の間に腫瘍ができて脊髄を圧迫するもの。
 →良性の神経鞘腫と髄膜腫が多い。
 →ブラウン・セカール症候群となる。
C;髄内腫瘍;脊髄の中から発生するもの。
 →神経膠腫(上衣腫と星細胞腫)
 →早期に膀胱直腸障害が出現する。
 
発生頻度はB>A>C
 
 
 
組織学的には原発性腫瘍と転移性腫瘍がある。
原発性腫瘍はシュワン細胞腫、髄膜腫、神経膠腫、悪性リンパ腫および血管腫などがある。
転移性腫瘍は癌の転移であり、乳癌、肺癌などがあり、さらに多発性骨髄腫もみられる。

発生部位;解剖学的に大孔部、上部頸椎、下部頸椎、胸椎、腰椎、円錐、馬尾神経などに分けます。
発生頻度;硬膜外は30%、硬膜内髄外50%、髄内20%くらいです。
脊髄レベル
;頸髄20%、胸髄50%、腰髄20%である。
好発年齢;40歳が多く、次いで50、30歳代といわれている。
 
脊柱管内で腫瘍が発生するために、脊髄や馬尾神経が圧迫され、血液循環不全をきたし、脊髄の浮腫などが起るため神経症状が出現します。
 
初発症状の特徴
小児では①歩行障害 →②痛みへと移行する。
成人では①痛み →②歩行障害へと移行する。

初発症状
感覚刺激症状痛み
運動麻痺歩行障害、脱力
感覚麻痺しびれ感、鈍さ
自律神経障害発汗異常
 
疼痛;症状は腫瘍の存在部位で決定されますが、疼痛はどの部位に発生しても初発症状として出現することが多く、 限局する痛みや神経支配領域にそった放散痛が起こります。このため、頸椎に発生した場合は上肢症状、腰椎に発生した場合には下肢症状を伴うことがあります。
 
麻痺;痛みが出現してから、数週~数ヶ月目に圧迫症状としての麻痺などの脊髄症状がみられます。
腫瘍が増大すると運動麻痺や排尿障害(出にくくなったり、逆に漏らす)を伴います。麻痺症状が急激に進むことはありませんが、階段からの転落や交通外傷など大きな外力が加わると、それまで気づかなかった症状が突然現れることがあります。
 →脊椎への高速スラストは禁忌です
神経学的所見
髄節症状
脊髄腫瘍による脊髄圧迫症状であり、前角、前根、後根などの圧迫により根性疼痛の高さに一致する四肢の感覚鈍麻、筋萎縮、筋力低下、腱反射の低下などがみられる。

髄節以下の症状
腫瘍レベル以下の痙性麻痺、深部反射亢進、病的反射出現、温痛覚障害、深部感覚障害や膀胱直腸障害などがみられる。

ブラウン・セカール症候群(脊髄半側性障害)
腫瘍レベル以下の同側の腱反射亢進、病的反射などの錐体路障害と深部感覚障害の出現。
反対側の温痛覚鈍麻をきたし、進行して脊髄完全横断症状を呈する。

脊髄高位レベル診断
 
 
延髄から
上位頸髄
下位脳神経の症状がみられる。初期から運動障害が強く、下肢に強い感覚障害や排尿障害がみられる
C24
後頭部痛、耳鳴り、項部痛や肩部痛がみられる。
C4
呼吸障害
C5
これ以下では上肢下肢の痛みや感覚障害が出現してくる。いわゆる根症状と脊髄症状が混在し、上肢は筋萎縮などがみられ、下肢には病的反射が出現する。これらは、髄外腫瘍では短期間に症状が両下肢にみられる。
胸髄
Th1からTh2では前腕から上肢の痛みがあり、Th5以下では前胸部から臍帯部にかけて痛みがみられ、しばしば内臓疾患と誤診される。この部分は髄膜腫が比較的多く、根症状としての根性疼痛があり、感覚障害や軽度の麻痺がみられる。わが国ではシュワン細胞腫が多くみられる。
腰仙髄
および
馬尾神経
腰仙髄は上部腰髄、下部腰髄(円錐上部、第4腰髄~第2仙髄)、脊髄円錐(第3仙髄~尾髄)、および脊髄馬尾に分けられる。膀胱直腸障害が比較的早期に出現するが、それぞれの部位により異なる。
円錐上部
症候群
不全麻痺や弛緩性麻痺がみられ、アキレス腱反射消失、膝蓋腱反射正常、膀胱直腸障害、インポテンスが見られる。
円錐部
症候群
円錐の障害は髄内腫瘍が原因であることが多く、さらに、神経根も同時に侵される。弛緩性膀胱、失便、インポテンス、saddle型痛覚脱失、肛門反射の消失、初期は下肢の麻痺はないが、しだいに下肢の運動知覚障害がみられる。
脊髄馬尾症候群
馬尾神経の腫瘍(脳室上衣腫)、椎間板ヘルニアなどが原因で座骨神経痛様の根性疼痛がみられる(?)。膀胱直腸障害、下肢麻痺、腱反射減弱などがみられる
 


夜間痛があり、腱反射の亢進、病的反射の出現なら専門医へ
また癌転移の脊腫瘍ではギックリ腰と間違う事もあり要注意。
 
酷い痛みの場合や歩行障害では;
深部腱反射、病的反射、筋萎縮、感覚障害は確認しましょう。

症例①
患「頭痛で眼が覚めるんですけど、起きて暫くすると楽になるんです」
術「あっそう、それは歯ぎしりが原因ですから心配ないです」
 
症例②
患「ええ、朝方頭痛がしたんですけど、吐いたら楽になりました。
術「じゃ、今日もメンテナンスで!」
 
おお、怖~
 
「頭痛で眼が覚める」「吐いたら楽になる頭痛」は頭蓋内圧が腫瘍などで高まっている徴候です。
 
とても危険!
 
吐いても楽にならない方が軽い病態です。

①脳腫瘍
概要
脳組織の中に異常細胞が増殖する病気。
脳組織自体から発生する原発性脳腫瘍と、他の臓器のがんが脳へ転移してきた転移性脳腫瘍の2種類があります。
 
図;すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2009年3月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
 
種類原発性脳腫瘍には、良性と悪性の2種類
最も多くみられるのは神経膠腫(グリオーマ)ですが、このグリオーマにもいくつもの種類があります。 なかでも神経膠芽腫とよばれるものは増殖のスピードが速く、症状が現れて数か月で危険な状態に陥る場合もあります。
 
表;原発性脳腫瘍の種類と割合
国立がん研究センター

脳腫瘍の種類
割合
1.神経膠腫
28
(悪性)
 1-1 星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
28% )
比較的良性
 1-2 悪性星細胞腫
18%)
悪性
 1-3 膠芽腫(こうがしゅ)
32%)
悪性
 1-4 髄芽腫(ずいがしゅ)
4%)
悪性
 1-5 その他
18%)
2.髄膜腫
26
(良性)(一部悪性)
3.下垂体腺腫
17
(良性)
4.神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
11
(良性)
5.先天性腫瘍(頭蓋咽頭腫など)
5
(比較的良性)
6.その他
13
 

 
 
症状
成人の頭蓋骨は伸縮ができず、頭蓋内に占拠性病変が発生すると頭蓋内圧は上昇し、脳腫瘍の主症状の一つの脳圧亢進症状となります。
血管障害と異なり、ゆっくり進行するのがふつうです。
脳圧亢進症状の3徴候に(1)頭痛、(2)吐き気、嘔吐、(3)うっ血乳頭があります。
頭痛、吐き気は朝特に強いのが特徴です。
もう一つの主要症状は、局所症状(巣症状)です。
腫瘍占拠部位により片麻痺、言語障害、視力障害などを呈します。
その他、てんかん様発作、意識障害などもあります。
 
脳腫瘍の主な症状として、次の3つがあげられます。
(1)慢性的な頭痛 
初期では2割程度、進行すると7割程度の患者さんにみられます。
起床時に最も強く、時間が経つにつれて少し改善する傾向があります。
(2)原因不明の吐き気や頭痛 
頭痛とともに吐き気が続いたり、嘔吐するような場合もあります。
(3)視神経の異常
腫瘍が大きくなって神経が圧迫され、視力低下などの自覚症状を引き起こす場合があります。
この他、発生した部位によっては「しびれ・手足のマヒ」「言葉がうまくでない」「聴覚障害」などがあります。
 
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200903/clinic3.jpghttp://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200903/clinic4.jpg
 
髄膜腫:脳を包んでいる髄膜から発生する良性の腫瘍のことで、脳腫瘍のなかでも最も多いタイプです。症状のない「無症候性髄膜腫」は、手術を受けなくても問題ないものもあります。
手術をするべきかは、患者の年齢、腫瘍の大きさ、発生部位などを考慮して判断します。約2%は悪性の場合もあります。また、手術で摘出しても10年ほどで10%弱は再発することもあります。
 
神経膠腫(グリオーマ):星細胞系腫瘍などの総称で、脳そのものにできる原発性脳腫瘍の約28%を占めており、総合すると脳腫瘍のなかで一番多くなっています。良性と悪性がありますが、組織的に良性であっても、周囲の正常な組織との境界が不鮮明で治療が難しいという問題があります。
自覚症状としては、脱力、けいれん発作、痺れ、失語症、視野障害などの局所症状が現われます。腫瘍が大きい場合には、頭痛、吐き気・嘔吐、意識障害など頭蓋内亢進症状と言われる症状が現われます。40歳以上の成人の大脳半球に発生します。
 
神経鞘腫:発生した脳神経の名前で呼ぶ良性腫瘍のことで、一番多いのは聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)で、二番目は三叉神経腫瘍です。そのほかにも、顔面神経、迷走神経、動眼神経など様々な神経に近接する腫瘍であるため、後遺症が残る場合もあり、治療は慎重に決めることが求められます。聴神経腫瘍は眩暈やふらつき、耳鳴り、聴力の低下などが、三叉神経腫瘍では顔の痺れが現われます。
 
下垂体腺腫:脳の中央に位置し、様々なホルモンを分泌している下垂体にできる良性の腫瘍です。下垂体腺種になるとプロラクチン、成長ホルモン、婦人皮質刺激ホルモンなどが過剰に産生されます。
逆にホルモンを産生しない非機能性腺種というものもあります。どのホルモンが過剰に分泌されるか、あるいはされないかによって症状は異なります。例えば、視神経を圧迫すると視野狭窄になったり、プロラクチンが過剰に産生されると無月経や不妊症、成長ホルモンの過剰産生では先端巨大症になったりします。
 
検査;
CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像)、脳血管造影が一般的です。 
治療;
脳腫瘍の治療は(1)手術療法、(2)放射線療法、(3)化学療法、(4)免疫療法などの4つに大別されます。
原則的に、良性腫瘍には手術療法のみ、悪性腫瘍には手術療法の他に他の治療法が併用されます。
 

眼覚め型頭痛
脳腫瘍により頭蓋内圧が高まり、慢性的に頭痛が起きます。
更に多くは頭痛で目覚めるという「眼覚め型頭痛」です。
ではその頭痛のメカニズムは?
 →腫瘍によって脳が変形したために架橋静脈が引っ張られるからです
 →寝ていると脳脊髄液は頭部にも上がって来ます。
 →次第に頭蓋内圧が高まり、静脈が牽引されます。
 →その痛覚で痛みを感じて眼が覚めます。
 →起き上がると脳脊髄液は足方へ下がるので頭痛が緩和して来ます。
 イメージ 1
 
 図;頭痛・めまい・しびれの臨床
良い本です。買いましょう。
 
①頭蓋内で痛む場所
骨膜
頭蓋底部の硬膜
太い動脈・静脈(静脈洞)
橋静脈(架橋静脈)
神経(C2・3神経、脳神経第5・9・10)
 
②痛まない場所
脳実質
硬膜の大部分(大脳鎌も)
くも膜、軟膜
細い血管

 
 脳腫瘍では色々な症状がありますが「頭痛で眼が覚めてその後は楽だ」と言う人は検査を勧めなければなりません。
 

先週までのKOセミナーのサービス習慣は終わり<(_ _)>
今週から1月ぐらいかけて「禁忌症講座」
 
ご存じのようにカイロプラクターには国から施療してはいけないと通告を受けている16種類の疾患があります。
 
腫瘍性疾患、出血性疾患、感染性疾患、リウマチ、
筋萎縮性疾患、心疾患、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、
変形性脊椎症、脊椎管狭窄症、骨粗鬆症、⑫環軸椎亜脱臼、
⑬不安定脊椎症、⑭側彎症、⑮二分脊椎症、⑯脊椎すべり症
 
中には「え~何でやねん」というのもあるようですが、誰かが決めた。
 
例えば;
●浦レポートは医学的に乱暴な内容となっており、禁忌症に対しても一律に「禁忌症」として記述されているだけで、判断に苦しむ点が多い。たとえば変形性脊椎症は禁忌症として上げられているが、これは病名であって病名でないと考えられる。脊椎の変形は女性では50歳以上、男性では60歳以上では、程度の差はあってもほぼ100%に認められると言われている。しかしこの●浦レポートが公に出ている唯一のものである。したがって、「あなたは60歳代の人(変形性脊椎症を有する人=禁忌症)に施術を行ったので罪がある。」という(乱暴な)論法も成り立つ状況にある。
 
またこの通告も昔のもので、最近よくマスコミに挙げられる「腰椎と画像診断の不一致」があります。
日本腰痛学会の会長だった菊●臣一先生が4年ほど前にNHKの番組において「腰痛の原因の15%は分かっていますが、残りの85%はわかりません」とはっきり言っています。
また去年は新聞でも腰痛におけるX線などの画像検査の科学的根拠はありません。
むしろ、有害だとしています。


この禁忌症は平成3年に厚生省医事課長通知によりカイロプラクティック等手技療法の禁忌症等について定められたが、列記されている禁忌疾患について適切な対応ができていない状況であった。そこで平成16年~18年の3年間に厚生労働科学研究費による「カイロプラクティックなど手技慮法の安全性を高めるための方策についての研究」が全療協の研究財団を中心に行われ、「カイロプラクティック等における禁忌症ガイドライン」が作成された。JSCではその禁忌症ガイドラインを出来るだけ詳細に紹介し、日々の臨床に役立ててもらおうと2007年から毎年禁忌症セミナーを実施することになった。
 

間違って欲しくないのは、この「禁忌症に対して施療しましょう」とは決して言っておりません!
本当に危ない病態があるので、それを鑑別する検査力を身につけて、患者さんの健康状態を理解しましょう!ということです。
危ないケースは直ぐに専門医へ!
これが合言葉になります。
 
単なる頭痛と思っても死ぬ場合もあります。
単なる眩暈と思っても死ぬ場合もあります。
単なる胸部痛、背部痛でも死ぬ場合があります。
 
患者さんが施療中に倒れて亡くなったら…どうなります?
 
明日から少しずつ解説して行きます<(_ _)>

今週はKOセミナー診断学の復習シリーズ。
というか良い忘れていた事。
というか時間がないので言えなかった事。
 
だいたい10時間で出来る訳がありません。
KOセミナーではヒントは出しますので自分で色々なセミナーに行って勉強したり、
本を買って勉強したりして自分を磨いてください<(_ _)>
 
家に帰ってからも出来てます?
練習しないと10年経っても無理ですから
 
今日は各地で復習会があるので、それまでに知らせておかないといけない事。
 
横隔膜を境にした胸膜・心膜・肝冠状間膜のリコイル
 
実技では私簡単そうにやっていましたけど…
観えましたかね?
どこを狙っているか
観えましたかね?
 
質問が無かったので分かっていると思っていたのですけど…
分かっていなかったのね(-.-)
 
例えば横隔膜と胸膜の固着をリリースするためのリコイル。
リコイルの前にはその組織間を開くために押圧と牽引を行います。
 →ベッド方向に直角に押圧して頭方と足方に牽引をやっているように観えたでしょう。
 →チ~ン
 
横隔膜を良く観ると緊張した線維もしくは丸い緊張した塊があります。
そのラインというか塊に対してリコイルします。
従って当然ベクトルはベッド方向に押圧、頭方と足方に牽引ではありません。
 
横隔膜を境にしたリコイル」ですから、横隔膜の形状をイメージできないといけません。
 
イメージ 1
 
 
側面ではドーム状
ベッドに直角に押圧したら、
どこにポイントを置いているのか?
 
このドーム状のどこかが緊張しているのですから、そこを狙います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 図;プロメテウス
良い本です。買いましょう。
 
 
イメージ 2
 
胸膜・心膜と横隔膜の境界もそうです。
側面から観てどこが緊張しているのか?
 
検査法;観ただけじゃ分からない人へ。
①ベッド方向に押圧し、頭方と足方に牽引をする。
②横隔膜のドーム状のイメージをする。
③この方法なら腹側からでもドームの頂点、背側まで検査ができる。
 
 肝臓の打診やりましたよね。
この時に肝臓の打診音は実際よりも小さい領域として感じる」と説明しましたね。
これが横隔膜のドーム状である証。
 
腹側とドーム頂上と背側であれば当然打診では音が違う。
 
打診音 
正常肺野; 共鳴音
肝臓や心臓などの実質臓器; 濁音
 
↓の方向に叩いて行くと、小さなコンコンとした肝臓の濁音としてではなく、肺の大きい音で澄んだ音共鳴音であったり、結腸の大きなポンポンとした鼓音であったりします。
 
この写真の四角の所の一部が肝臓の上下にかかっていますが、肝臓の音としては聞こえないという事です。
 
だから、肝冠状間膜と横隔膜をリコイルする時には斜め方向など意識して行いましょう。
 
イメージ 3
 
図;ベイツ診察法
良い本です。買いましょう。

サービスも今日で終わり( 一一)
 
あ、打診する時の指
これも自分の背中から指に伝えて叩きましょう。
でも昨日書いたように音が大きいと良い訳ではなりません。
出来るだけ軽く叩いて組織の状態が分かるようにしないと患者さんが痛がるかもよ(-.-)
 
イメージ 4
 

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