フィニッシュ カイロ 脳身研究所のblog

このブログは元JSC日本カイロプラクティック師協会会長と現九州カイロプラクティック同友会の会長、そして現日本カイロプラクティック徒手医学会副会長である荒木寛志が思いのままにつづるものです。 カイロプラクティック施療についての技法、セミナーについても予告や解説を行います。 皆さんが色々な世界を知って大きな視野を持ち、沢山の人々のお力添えになれれば幸いです。

2013年05月

禁忌症シリーズがやっと終わりました<(_ _)>
16疾患。
後は「骨折」があるのでJSCでは17疾患となります。
 
柔道整復師の扱える疾患は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)のみである。慢性の疼痛疾患はその対象にならない。このうち骨折及び脱臼については、緊急の場合を除きあらかじめ医師の同意を得ることが必要である。(ウキペディアより)
 
柔整の先生でも医師の同意が必要。
カイロプラクターは触ってはいけません。


柔整の先生は骨折を整復できるのだと思っておりましたら、そうでもないらしい。
7月6・7日に茨木で行われるJSC日本カイロセミナーの実行委員長である「高橋克典 先生」は柔整師なので全身の骨折を整復できますよ。と言っておられましたけど。
 
その高橋先生からメール。
「…講義分を6月20日頃まで本部事務局にお送り頂けますか?」
あ、禁忌症のスライドをセカンドシリーズにするために今回のブログで書き溜めたんでした。
だからこれは案外とすんなり\(^o^)/
 
日本カイロセミナー2日目には私が行う講義があります。
タイトルは「眼球運動と舌運動による疼痛緩和法」
この資料がまだ1枚も出来ておりません Ψ( ̄∇ ̄)Ψ
 
じゃあ
6月20にまでに2種類のスライドを作成しないと<`ヘ´>
 
ん!
徒手医学会で発表する論文の抄録締め切りが6月31日だったな…
まだデーター取っているところやがな ( ̄[] ̄;)!ホエー!!
/(´o`)\オーノー!!
 
なんだか無理みたいな~気もせんでもないな~
 
ブログ書いとる場合じゃろか…
 
あ、今日は午前中は空いておりますね~
終わりは22:30までかかるから…
今からやろ~
 
 

 
概要
腰椎の椎間板のついている前方部分は椎体、後方の椎間関節のついている部分は椎弓呼ばれます。椎体と椎弓の間には椎弓根があります。椎弓の部分で骨の連続性が断たれてしまい、椎体と椎弓が離れてしまった状態を「腰椎分離症」といいます。
 
分離症
脊椎分離症は椎間関節の基部の骨が分離する状態です。
原因として、腰の曲げ伸ばしや捻り運動を繰り返すことで徐々に骨の分離が起こるとする「疲労骨折説」があります。
骨が成熟していない少年期にスポーツで腰部に繰り返し負担がかかることで発症する場合があります。
分離症だけでは自覚症状が出ない場合が多いですが、長時間の立ち仕事や、腰を反らせたり横に曲げたりした時に腰痛を訴える場合があります。
これは分離している部分の骨の痛みで、下肢の筋力低下や痛み、しびれなどの神経症状はほとんどありません。
図;脊椎手術.comより

分離すべり症
分離症のなかで、後方部分の支持性がないため椎体が前方にずれてくるもの。
繰り返す腰痛、または慢性的な腰痛と下肢痛を来すことが多く、高度なすべり症以外では通常、排尿排便障害は認めません。
分離症・分離すべり症 →第5腰椎によくみられます。
 
 
変性すべり症:すべり症は脊椎同士がずれた状態を指しますが、椎間板の老化による不安定性が原因でずれたもの。
腰痛・下肢痛を来しますが、脊柱管全体が狭くなるため馬尾神経の圧迫症状が主症状になります。すなわち、歩行によって下肢痛やしびれ感が出現し、休むと軽快する間欠性跛行と呼ばれる症状や、会陰部のしびれ感や、排尿排便障害を来します。
変性すべり症 →女性に多く、大部分が第4腰椎です。
変性すべり症は椎弓や椎間関節の形態異常に椎間板の変性が加わって起きるとされています。
 
原因
分離症の原因は、先天性のものと後天性のものがあります。
先天性のものは生まれつきのもので、分離以外にも椎体や椎弓の形態異常を認めることが多く、高度なすべり症を生ずることがあり注意を要します。
後天性の多くは子どものころにスポーツなどで繰り返し負荷がかかったために、疲労骨折を起こしたものと考えられています。しかし、スポーツは原因のひとつであり、体質的な要素もあります。
症状
最も多い症状は腰痛です。青少年のスポーツ活動で腰痛が出現する場合は、分離症を疑ってみることが必要です。成人の場合、同じ姿勢を続けたり、長時間の立ち仕事や重労働のあとに痛みが強くなります。鈍く重い痛みで、体を後ろに反らせると痛みが強くなります。また、成人では神経根症状である脚の痛みやしびれが出現してくることもあります。
 前述したように変性すべり症では、脊柱管が狭窄し、腰部脊柱管狭窄症の症状である間欠性跛行や会陰部のしびれ感などが出る場合があります。


分離での痛みは骨折部の痛みらしい。
辷症になると、脊柱管狭窄を呈して腰痛の他に下肢の痛みやしびれなどの神経症状を訴える場合が多く、ひどくなると馬尾症状が出現することがあるとのこと。
 
この疾患は患者さんでよく見受けられます。
腰部にはアプローチせずに寛解していくのは何故か?
骨は分離したままなのに…。

 
概要
頸部、体幹の背部正中には脊髄が縦走しており、脊椎に取り囲まれ、その上を皮膚がおおっています。胎生3〜5週に外胚葉から脊髄と皮膚が分離・分化しますが、この過程に異常があると二分脊椎、二分頭蓋などの神経管奇形を生じます。
二分脊椎は高頻度にみられる先天異常で、世界的にみた発生率は出生1000人あたり1人前後です。日本においては3000人あたり1人と欧米に比べて低率でしたが、近年増加しています。
二分脊椎は;http://kotobank.jp/word/%E8%84%8A%E6%A4%8E%E6%8A%AB%E8%A3%82%EF%BC%88%E4%BA%8C%E5%88%86%E8%84%8A%E6%A4%8E%EF%BC%89
①嚢胞性二分脊椎;背骨が胎内で発生する途中で、背部正中の脊椎弓の癒合が不完全だったために、左右に分裂している病気です。脊髄膜や脊髄が、分裂している脊椎弓からはみ出し、皮膚が腫瘤のように突き出します
 
②潜在性二分脊椎;逆に、脊椎弓が分裂している部分がへこんでいる場合
とに大きく分けられます(図29)。部位別では下位脊椎(腰仙部、腰部)が80%以上を占め、上部脊椎(胸部、頸部)はまれです。
 
原因
 嚢胞性二分脊椎の診断は出生前に超音波診断や羊水検査でわかることが多く、遅くとも出生時には外表の所見から明らかになります。潜在性二分脊椎の場合は、病変部の皮膚の変化(多毛、血管腫、陥凹など)や脂肪腫の存在が診断のきっかけになりますが、気づくのが遅れることもよくあります。
 脊椎・頭部の画像検査(CT、MRIなど)で病変を詳しく観察し、治療を行います。
 
症状
①嚢胞性二分脊椎
 嚢胞性二分脊椎は脊髄破裂、脊髄髄膜瘤、髄膜瘤に分類されます(図29)。診断は出生前に超音波診断や羊水検査でわかることが多く、遅くとも出生時には体の表面の所見から明らかになります。脊椎・頭部の画像検査(CT、MRIなど)で病変を詳しく観察し、治療を行います。
 脊髄髄膜瘤ではしばしば皮膚欠損による髄液漏(脳脊髄液のもれ)があります。多彩な神経症状があり、これには脊髄奇形の直接の影響のほかに、水頭症、脳幹・小脳奇形(キアリII型奇形が約80%に合併する)など合併する病態の影響も加わっています。
 脊髄病変による症状は両下肢の運動麻痺、感覚低下と膀胱直腸障害の組み合わせが多く、脊髄奇形の程度が強く位置が高いほど障害が重くなります。膀胱の機能障害(神経因性膀胱)のため、失禁、残尿や逆流が生じ、しばしば尿路感染症(腎盂腎炎)を合併します。熱が出て、他の症状に乏しい時は、急性腎盂腎炎の可能性を考えて、早めに病院で尿検査を受けてください。

②潜在性二分脊椎
 潜在性二分脊椎では無症状の症例と脊髄障害の症状を呈する症例とがあります。後者の場合、しばしば神経腸嚢胞、皮膚洞、類皮腫(図29)、脂肪腫、脊髄稽留症候群、割髄症などの合併がみられます。水頭症などの合併は、非常にまれです。脂肪腫や脊髄稽留症候群は脊髄障害の症状(嚢胞性二分脊椎に類似したもの)を呈しやすく、また皮膚洞は細菌感染による髄膜炎の原因になります。

 
クリックすると新しいウィンドウで開きます
 
 

誰もが知っている「側彎症」
これ禁忌症名ですね。
なんでかな?
 
あ、
構造的側彎症と機能的側彎症があるからかな?
 


脊柱側弯症
 
脊柱が右または左に湾(彎)曲した状態。多くの場合脊柱の回旋を伴う。日本には少ないといわれてきたが,近年は小・中学生に多くみられるようになり,発生率は0.3~0.5%といわれる。側彎の程度は,側彎の上端の椎骨と下端の椎骨がつくる角度で表される。
軽症のものでは目立たないが,15度を超えると外見上も明らかとなり,両肩や肩甲骨の高さが異なってくる。前屈すると,脊柱の凸側の脊部の肋骨が後方にふくらむ。
 
機能性側弯症;椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛、脚の長さが左右で異なることが原因で起こる。
②「構築性側弯症;背骨自体に原因のある
2つに大きく分類されます。
機能性側弯症は、原因を取り除くことで軽快あるいは消失します。構築性側弯症のなかで最も多いのは原因が不明である「特発性側弯症」で、全体の70〜75%を占めます。

その他
先天性側弯症;先天的に背骨の形に異常のある
症候性側弯症;脊髄神経や筋肉などの異常が原因
変性性側弯症;椎間板の変性などの加齢変化による
 
症状
外観上、肩の高さの非対称、肩甲骨の高さの非対称、ウエストラインの非対称、肋骨や腰部の隆起などが特徴です。変形が軽い場合には美容上の面が問題となりますが、変形が高度な場合には、腰背部の痛みや、肺機能障害が出現し、日常生活上大きな問題となります。
 
診断
 前に述べた外観上の特徴は側弯症の検査の際にも用いられ、診断に際して重要なポイントです。これにより側弯症が疑われた場合には単純X線写真を撮影します。
 通常、立った状態で撮影し、側弯の角度(コブ角)を計測するとともに、背骨や肋骨に先天的な異常がないかを確認します。
 マルファン症候群などの症候性側弯症では、全身状態のチェックが必要で、進行性や高度の側弯症では、脊髄空洞症脊髄腫瘍の有無を確認するためにMRI検査を行います。
 また、先天性側弯症では、片方の腎臓が欠けていたり、消化器の異常がある場合があるので、注意が必要です。
 

クリックすると新しいウィンドウで開きます
こちらもどうぞ;日本整形外科学会HP:http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/infants_scoliosis.html
 

 
思春期での特発性側弯症に対するブレース治療の大よその指針
少年・少女期では20度を越えたら早い時期にブレース装着する
コブ角 処置
20°未満 経過観察
20°~ 25° カーブに大きな進行が確認された場合や、成長が多々残っている場合はブレース装着。それ以外は経過観察。
25°~ 30° カーブが進行しており、成長が残っている場合はブレース装着。
30°~ 40° 成長が残っている場合、ブレース装着。
40°~ 45° 成長が残っており、さらに全ての兆候要素がブレース装着を支持する場合はブレース装着とする。しかし場合によっては手術療法の方が良い選択であるかもしれない。
45°以上 ブレース装着か手術療法か、どちらが良いか判断が分かれる。 カーブの大きさ以外の要因によって決定される。

背が高くやせており、長い手足と指をもつ体型を示します。脊椎側弯(そくわん)や亀背(きはい)などの背骨の異常、鳩胸(はとむね)や漏斗胸(ろうときょう)、関節の過可動性(曲がりすぎる)などがよく認められます。
 心臓血管系の病気が重要です。無症状の段階で診断されやすいものとしては、大動脈弁を含む大動脈基部の拡大、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁(そうぼうべん)閉鎖不全があります。胸背部の激痛がみられた時には大動脈解離を考える必要があります。
 心臓血管系の病気は、年が経つにつれて進行することがあり、経過を追ってみていくことが大切です。
 眼の症状としては水晶体亜脱臼、偏位、近視などがみられます。また、腰椎仙骨部(ようついせんこつぶ)の硬膜(脊髄(せきずい)を包む膜)の拡張により、腹部や足の痛みが起こることもあります。


クリックすると新しいウィンドウで開きます
 
 
手足がとても長くなります。
漏斗胸にもなります。
 
クリックすると新しいウィンドウで開きます

昨日の環軸椎亜脱臼も不安定脊椎症に入りますね。
歯突起形成不全、環軸椎間不安定性はダウン症候群に合併することが多く、環椎が軸椎に対して前方脱臼していることが多いです。
後頭部、頸部痛、上肢への不快感が初発症状であり、進行すると脊髄症状を呈する。また腰椎に多い脊椎分離症、すべり症も椎間不安定性の一種です。
 
 
 この禁忌症には重複する疾患があります。
環軸椎亜脱臼と脊椎すべり症 →不安定脊椎症に入りますね。
環軸椎亜脱臼 →不安定椎症
脊椎すべり・分離症 →不安定椎症
こんな感じですかね。

不安定頚椎症昨日の環軸椎亜脱臼の補足です;
頸部における炎症性疾患の大部分はリウマチ性であり、特に上位頸椎に多くみられ、
①滑膜炎症状
②靭帯・関節包の弛緩・断裂 →亜脱臼になる
③軟骨・骨の破壊性変化を有する。→更に高度な非修復性亜脱臼、圧潰、強直などに至る。
一般に環軸関節を中心に発生して、環椎前方亜脱臼から垂直性亜脱臼へと進行する。慢性リウマチ疾患には頸椎病変が約80%にみられ、環椎前方亜脱臼はその約半数にみられる。
 
症状は後頭部痛、後頸部痛、軋音、可動制限、脱臼感と四肢痙性麻痺、しびれ感、放散痛など亜脱臼による脊髄・神経根症状としての神経症状、そして椎骨・脳底動脈循環不全症状に大別され、特に上位頸椎疾患では延髄圧迫症状など生命を脅かす可能性がある。若年性リウマチでも上位頸椎の関節炎となり頸部痛を伴う。この若年性の場合RA因子は(-)であることに注意する。
環軸関節の亜脱臼は①前方、②後方、③回旋、④下方があるが、①が最も多く、患者の頸部を前屈させて検者が軸椎棘突起をPAへ押すと異常可動性を触知する。


 不安定腰椎症;名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科HPより
 
概要
腰椎の骨同士のつながりが障害を受けることにより骨同士がグラグラに動いてしまっている状態です。腰椎の骨をつないでいる椎間関節が障害されることにより発生し、椎間板が突出したり黄色靭帯が変性して肥厚してきます。これにより腰部脊柱管狭窄症と同様に脊柱管が狭窄した状態となり、脊髄神経や神経根が圧迫されます。脊柱管の狭窄がない場合もあり、その際には腰椎がグラグラ不安定に動くだけなので、椎間板や椎間関節から来る腰痛が主症状となります。

http://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurosurgery/intro/img/group/im_fuantei1.jpg

下に示すのは腰椎不安定症のMRIです。
左の写真では脊柱管(白く写る部分)内の馬尾神経が丸で囲まれた部分で突出した椎間板と肥厚した黄色靭帯に圧迫されています。右の写真では椎間関節内に白く帯状に見える部分は関節が障害を受けている部分です。

http://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurosurgery/intro/img/group/im_fuantei2.jpg

腰椎が不安定にすべっているのは単純写真でよくわかります。
丸で囲んだ部分の骨がずれており、後屈から前屈すると上の骨がさらに前方に滑っています。

http://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurosurgery/intro/img/group/im_fuantei3.jpg

 
症状
間欠性跛行:歩行しているうちに徐々に両下肢がだるくなり、しびれたり力が入らなくなって歩けなくなる状態です。しばらく休むとまた歩けるようになります。
坐骨神経痛:おしりの痛み、太ももの裏からひざの裏、足背部足底部に至る痛みです。
腰部脊柱管狭窄症を伴わない場合には腰痛が主症状となります。


痛みの概念は色々あります。
個人的には神経の圧迫というよりも、血管の圧迫によるものと考えています。
神経を圧迫して痛いのなら、足の裏は殆ど地に着いています。
これは圧迫以外のなにものでもありませんよね。
皆さん、足の裏…痛いですか?

↑このページのトップヘ