症例:60代 女性 (平成29年6月7日 再診)
側頭部痛 →これは耳石の…
症例:60代 女性 (平成29年6月7日 再診)
このブログは元JSC日本カイロプラクティック師協会会長と現九州カイロプラクティック同友会の会長、そして現日本カイロプラクティック徒手医学会副会長である荒木寛志が思いのままにつづるものです。 カイロプラクティック施療についての技法、セミナーについても予告や解説を行います。 皆さんが色々な世界を知って大きな視野を持ち、沢山の人々のお力添えになれれば幸いです。
主訴:頸・肩・上背部・腰の凝り、むかつき。
リスクファクター:失神して救急車で搬送される(去年10月に1回、今年1月に2回)、
スパーリング・テスト:陰性
ジャクソン・テスト:陰性
ライト・テスト:陰性
バレリュウー:陰性
他動肩関節外転:右110度、左140度
座位体幹左回旋ROM↓
顔色が、どす黒い
①去年10月、温泉でドアを開けた瞬間に「むかつき」が出て倒れた→救急車
②今年1月27日、午前中に鉄板を拭いている作業中、右臀部(中小殿筋?)周りが熱くなっていた。
③1月31日、朝から顔色が青く、むかむかしていた。次第に両肩が痛くなり、むかむかして意識不明→救急車
回盲弁、脳硬膜静脈洞の解放
施療後は肩関節外転可動域正常。
体幹左回旋時の疼痛変化なし。
乳製品(チーズ)持たせてOリングテストで弱化。
→乳製品の摂取を控える様に指示。
頸・肩・腰の痛みは10→6。頸部右回旋が一番痛む。
少し頭がフアッとしてムカムカする(静止時)。
T1棘突起を左→右へアクティベーター刺激。T4RPSへアクティベーター刺激。
右斜角筋を垂直にはじく刺激 →頸部右回旋ROM↑
脳硬膜静脈洞の解放、篩骨+前頭骨
回盲弁2時方向へリコイル →座位体幹左回旋ROM↑
更に痛み減少。頸部右回旋、座位体幹左回旋ROM正常
3年前から腎臓障害有と言う。
小腸、脳硬膜静脈洞の解放
CV-4(1回目は6回、2回目は10回)
アストラル体に違和感 →エソテリック・ヒーリング
快調。顔色がとても良い。2月13日から仕事をしている。座位体幹左回旋ROM↓
→終了。後はメンテナンスに。
仕事である洗浄作業は身体を左右に振りながらシンナーで金属を磨き上げるものでした。
体幹の左回旋に抵抗があり、肩関節外転が右110度、左140度と体幹の右側に固着した組織の可能性を示していました。
血圧が高いという事と時々右下部前胸部が苦しくなるというのは、線維性心膜と横隔膜の癒着らしい要素を感じられました。
仕事で洗浄作業のため身体を左右に振る動きにより、横隔膜が緊張しているために深層の筋膜ラインに負荷が生じて心臓、肝臓、横隔膜の3孔(腹大動脈、腹大静脈、食道)の狭窄を招き、自律神経に刺激が加わり、内臓反射のような反応が生じたものと推測しました。
はじめに失神とは一過性の全般性脳血流の低下により引き起こされる一過性の意識消失と定義されます。失神の場合、数分以内(多くは1分以内)に意識は回復します。意識の回復が遷延する場合は失神ではなく意識障害と診断します。
□神経調節性失神は、排尿、咳嗽、嚥下、食後などの特定の状況で発症する状況失神、恐怖、疼痛、驚愕など情動ストレスにより惹起される情動失神、および血管迷走神経反射による失神を総称する概念とされています。
□誘因となる刺激の種類や圧受容器、中枢への神経求心路は異なりますが、共通して脳幹の循環中枢に刺激が達し、遠心路として交感神経の緊張が低下し末梢血管の拡張が起こり、同時に遠心路としての迷走神経の亢進がおこり心拍数が低下します。その結果血圧低下と徐脈により脳血流は低下し失神にいたります。最近、神経調節性失神は、反射性失神という呼称に統一されました。
□しかし、この過程で容積が減少した心室に陽性変力作用が加わると心過動状態となり、求心性無髄性迷走神経線維(C fiber)に連続する心室圧受容器が発火します。この求心性インパルスは延髄孤束核で線維を変え血管運動中枢を抑制し、副交感神経心臓中枢を亢進させ、遠心性交感神経の抑制と副交感神経の亢進が起こり、血管拡張、心抑制、徐脈となり失神が生じます。朝礼等での同一姿勢の長時間の起立位はこのような神経調節性失神の誘因となります。