フィニッシュ カイロ 脳身研究所のblog

このブログは元JSC日本カイロプラクティック師協会会長と現九州カイロプラクティック同友会の会長、そして現日本カイロプラクティック徒手医学会副会長である荒木寛志が思いのままにつづるものです。 カイロプラクティック施療についての技法、セミナーについても予告や解説を行います。 皆さんが色々な世界を知って大きな視野を持ち、沢山の人々のお力添えになれれば幸いです。

2022年07月

床に座ってから立てない。
時々聴く症状です。

つまり、
座った状態から片膝を立ててから、立ち上がる動きです。

こういう場合、どう観るか?
立てた側の足(脚)の問題なのか?
対側の足(脚)の問題なのか?

大腿部の筋力が弱いのか?
足関節の問題なのか?
 →では右左どっち側?


症例:70代女性 (5749)令和4年7月5日 再診 
主訴:床に座ってから右膝を立ててから立てない。左膝を立ててからは立てる。
現病歴:去年の12月頃から。
所見:左腸骨筋筋力70%、 左側大殿筋筋力70%
 左股関節屈曲・内旋・内転で鼠径部痛。
 腹部大動脈左凸。脊柱左凸。立位腰部伸展ROM↓(疼痛なし)


施術
伏臥位で空間から脊柱の調整。
 →大殿筋力正常になる。

腹部大動脈を左→右へリコイル。
腎動脈から下肢の動脈まで循環調整。
 →硬い動脈を優しく伸張させる。

側臥位にして肩関節と股関節の調整。
 →タッチのみ。
 →万歳で左短上肢-2cmが正常となる。
 →左側大殿筋筋力も正常となる。

施術後
私:立ってみて。
患:あ、立てた!(笑)

考察
最初の検査時に、右膝を立ててから立てないので、
左足(趾)で床をしっかりと押しているか?と尋ねたら、
押せていないという。

つまり、左足(脚)がしっかりと固定されていない状態みたいです。
体幹(四肢)のバランスをとったら、弱化していた腸骨筋が正常になった。
これで、左足(脚)の踏ん張りが出来て、立てるようになったのだと思います。

立てている側の足(脚)が弱っているように思えますが、
これが間違い。

腸骨筋の機能は、股関節屈曲と外旋ですが、
大腰筋と強調して脊柱の屈曲・伸展にも関与しているのかもしれません。
文献などには色々と書かれている様ですが、単独に筋力を調査した研究よりも、
全体的な動きに対して、どのように加担しているかを調べることが必要のように感じます。

しかし、利き手と利き足があるように、
左右均等というのも不均衡のようにも感じます。

動きには全体のバランスが大事です。

完。





アトピー性皮膚炎。
多くの方が悩む疾患。

その原因は様々。
何年もステロイド軟膏使ったりしても、寛解しないケースもあります。

症例:女児 10歳  3月26日初診(0398)
主訴:アトピー性皮膚炎、不眠
現病歴:幼児期からのアトピー性皮膚炎(喉、膝窩、肘窩)
所見:第1・5チャクラに元気がない。

施術
伏臥位で、患者の身体に向けて手を差し伸べる。
第1チャクラに元気がないので、肛門からエネルギーを入れる。
 →直接触ることはありません。空間からの施術です。
肩関節、股関節のバランスを調整。
頭蓋調整と眼の調整。

第5チャクラ(喉チャクラ)に元気がないので、何かの叫びがあるやもしれないと感じた。
 →左手を握って、心の叫びを聞く。
 →「父親の暴力を止めて欲しい」と聞こえる。

終了。

2回目(3か月半後)
アトピー性皮膚炎が激減していた!
寝付きも良くなったと。


まだ少し膝窩と肘窩にアトピー性皮膚炎があるので、
下肢と上肢の動脈調整。

考察
施術中、母親に聞いてみた。
私:この子のお父さんは厳しかった?
母:ええ。スパルタ教育でした。
私:暴力は?
母:それはありませんでした。ただ、言葉がきつくて…。

なるほど、
この子の心の叫びは「言葉の暴力」だったのかな?と思いました。

そして母親からは、
「初回の施術後に、自分の意見をハッキリと言えるようになり、活発になりました」

確かに、施術中でこの子に話しかけると、馴れ馴れしいぐらいに良く対応してくれた。
同じ子か?と思うぐらいでした。

子供は望みもしない部活やレッスンなどで心の叫びを抱くこともあるようです。
だから、喉チャクラに元気がなくなり、
アトピー性皮膚炎が発症したのかもしれません。

完。


前回の左側肘関節内側側副靭帯部分断裂。
前回の1週間後に来院。
完全な伸展・屈曲が出来ないとの事。
 →伸展は+20度ぐらい(正常は0度~-5度)。
 →屈曲は135度ぐらい(正常は150度)
この間、病院からは「後、2週間は運動を控えるように」との事でした。
 →医師からは肘は触られず、問診のみだったそうです。

立位で他動伸展させて抵抗のラインを観る( 一一)
 →肘内側から出発して身体の周り(皮膚)を右周りと左周りで追いかける。
 →左大腿筋膜張筋中間部で止まる。
 →そこを手で擦過する。
 →完全に伸展しました。
 →本人と親が笑う。

同様に、他動屈曲させて
抵抗のラインを観る( 一一)
 →同じく、
肘内側から出発して身体の周り(皮膚)を右周りと左周りで追いかける。
 →今度は対側の右大腿外側回旋動脈で止まる。
 →動脈を手で少し伸ばす。
 →完全に屈曲しました。
 →指先が肩に余裕で着きます。
 →本人と親が笑う。

仰臥位で再検査。
伸展は大丈夫だが、屈曲で少しまだ痛むという。
鎖骨下動脈、胸肩峰動脈、上腕動脈、尺骨動脈を軽く伸張します。
 →屈曲での痛みは消失しました。

考察
動脈の問題で可動性が低下することは多々あります。
筋肉、靭帯、関節にアプローチしてもまだ解決しないときは、
動脈を観ることで案外と解消されることは多いです。
 →来週の九州カイロプラクティック同友会の例会では動脈シリーズを行います。
 →下肢が分かりやすいので、今回は下肢から。

この「抵抗のライン」は身体の外周だけにあることは無く。
腹側と背側にあることも多いです。
主には肋骨です。

勿論、医師が言われるように、
急激な運動は控えるように告げることは大事。

完。

肘関節内側側副靭帯部分断裂。
スポーツで他を着いた時に、痛めるケースが多いようです。
2~3週間はシーネやギブスでの固定が通例みたいです。

症例:中学生女子 バレーボール部(0466)令和4年6月20日再診
主訴:左肘関節内側の痛み。
現病歴:バレーボールの練習中に仲間と絡まって転倒して手を着いた時。
所見:病院では内側側副靭帯の部分断裂(シーネ固定)
 肘内側部に数カ所圧痛。

施術
まずは、身体全体の形状を観る。

固定を外さず、シーネの隙間にある圧痛を探す。
その圧痛の1点を押すと「痛みのライン」が走り、左肋骨中部の側面で止まる。
 →痛みのラインは肋骨に多く出ます。
 →これは痛めた瞬間に呼吸が止まるために発生する固着部位となります。
 →そこにタッチして10秒程して、肘の圧痛を確認すると「痛くない」と言う。

シーネ固定のまま、出来る可動検査を行うと「腕内旋」で肘頭付近が痛いという。
 →そこを押して痛みのラインを観ると、左肋骨下部の側面で止まる。
 →同じく暫くタッチして「痛みなし」で腕内旋も痛くない。

2回目(9日後)
シーネ固定を外して来た。
ゆっくりと可動検査をすると、肘関節屈曲・伸展で肘内側に痛みあり。
勿論、肘関節の屈曲・伸展の可動制限(ROM)はある。

尺側手根屈筋、円回内筋、方形回内筋、棘下筋、肘内側側副靭帯に「皮膚のリリース」。
尺側神経、正中神経に皮膚ストレッチ。
 →皮膚ストレッチは強くそして深く押し込みません。

これで、肘関節完全伸展が出来ました。
屈曲制限はまだ少しありましたが、自分の髪を洗えないと言っていたが、
髪の毛に手が回って洗う動きが出来たので、笑み。

考察
まだ完治はしていませんが、通常よりも早く復帰出来ると思います。
要点は、
①圧痛部位を施術ポイントにしない。
②施術は皮膚をタッチするぐらいの強さが好ましい。

完。





↑このページのトップヘ