かなり以前に「マルファン症候群」をブログで書いたような記憶があります。

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写真:ネットから(右側の女性です)


今回は、実際私の所にお見えになった方の症例です。


症例:14歳 女性 (9308) 平成30年8月6日初診

主訴:1ヵ月前から長時間の座位で右肩甲間部痛。

現病歴:3歳の時にマルファン症候群と診断される。
 9歳から脊柱側弯症のために装具を着ける。
 (去年の6月はコブ角62°だった)
 平成30年7月に左上葉気胸(手術)、右下葉が潰れる。 
 現在は右上葉気胸。
 来年7月に側弯症手術予定。

施療
座位で骨盤調整。
右第3肋骨吸気障害を修正。
左肺手術痕3ヵ所リリース。

2回目(3日後)
食欲が2倍になった。
右肺が軽い。手術痕の痛みなし。夜間の目覚めなくなった。
座位で骨盤修正。
同側性歩行障害があったので第1胸椎棘突起を左→右にアクティベーター刺激。
右斜裂リリース。

3回目以降
前回翌日のX線検査でコブ角110°

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写真:日本側弯症学会より


他県の大きな病院で診察を受け、来年2月に手術となった。
手術は合計4回。
7月に退院して、来院された。

7月25日
体幹と頸部にコルセット状態。
主訴:背中と髪の毛を洗う事が痛くて出来ない。
 耳たぶが触ると痛い。
 右上腕遠位の知覚鈍麻。

手術では竇武に箇所穴を開けて、牽引。
そして脊柱の固定術。
(手術痕が80ヵ所ほどだったかありました)

要は手やタオルで擦ると皮膚が痛いんです。

施療
頭部と背部に8ヵ所痛い所がありました。
そこをリリース →痛み消失。
右上腕遠位を前後で挟んで待つ →知覚回復。

術後2回目
手術痕の痛み10→2
再度、痛みのある部位をリリース。

考察
術後3回目の時には痛みは無くなって、髪の毛と背中が洗えるようになりました。
術後の写真を見せてもらいましたが、
100°のコブ角が嘘のように、かなり綺麗になってました。
手術は大成功でしたね。

手技療法には限界があり、力及ばすのところも多々あります。
何かしらの力添えになれれば幸いです。