50肩。
治りにくいですねm(__)m

そして凍結肩ともなると非常に厳しいものになります。
「肩すくめ現象」には下記のような色々な原因があるとの事です。

棘上筋腱の炎症
癒着性関節包炎
癒着性三角筋下嚢炎


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図:肩の痛み 良い本です。買いましょう(^O^)/


症例:60代男性 初診令和2年8月 (9908)
主訴:右肩が痛い。
現病歴:2,3か月前から急に痛くなった。
既往歴:3年前に腹膜炎。
検査:右肩関節外転70度で肩すくめ現象で激痛。
 肩分回しで後方位で痛む。

 仰臥位で肩関節外転させて、肘関節90度位からの肩関節内旋・外旋は殆どロック状態。
 右前鋸筋筋力テスト70%

施療
盲部付近の手術痕のリリース。
 →大抵はこすると「チクチク」します。
 →リリース後はチクチクが消失します。
 →これで肩関節内旋が90度まで可能になる。
 →肩すくめ現象は変化なし。

四つん這いで上行結腸のリリース。

座位で腋窩に手を入れて前鋸筋タッチ
 →これで患者さんの体幹が自動的に左右に回旋します。
 →正中に体幹が止まったら終了。
 →前鋸筋筋力テスト正常。


これで分回しをさせると痛み無し。
まさかと思ったが、肩外転をさせると肩すくめ現象もなく、痛みもない(@_@)
症状のない左肩と同じ160度ぐらい外転出来ました。

考察
肩すくめ現象は腱の炎症を示唆するので、とてもやっかいです。
このケースでは手術痕の癒着らしきものがあり、
肩関節周囲の組織を引っ張っていたのかもしれません。

前鋸筋を観たのは、体幹筋の異常は四肢の正常な動きを壊します。
前鋸筋が弱化しているケースの多くでは、
長短腓骨筋、大腿筋膜張筋、腰方形筋も緊張して筋力テストも弱化していることが多いです。
その逆もしかりです。

テニス肘、手関節の腱鞘炎、指の痛みなどは、
前鋸筋を検査した方が良いです。

次回は「ヘバーデン結節」について書こうと思います。
この疾患も難しいですね。