フィニッシュ カイロ 脳身研究所のblog

このブログは元JSC日本カイロプラクティック師協会会長と現九州カイロプラクティック同友会の会長、そして現日本カイロプラクティック徒手医学会副会長である荒木寛志が思いのままにつづるものです。 カイロプラクティック施療についての技法、セミナーについても予告や解説を行います。 皆さんが色々な世界を知って大きな視野を持ち、沢山の人々のお力添えになれれば幸いです。

頭痛・頸肩コリ

何年も、何十年も続く症状。
よくあります。

しかし、その症状部位を施術して、その場は楽になっても、
また発症する。

なら、その症状部位を施術しても緩解はしないでしょうね。
保険の効く病院や整骨院などの医療機関では、
患者さんの訴える部位に対して、何らかの処置をしなければなりません。
これは決まりとなっています。


症例:40代男性 会社員 0343
主訴:左肩こり、腰痛。
現病歴:20年ほど前から、PC作業をすると左上背部にこわばりが出る。
 半年前から長時間椅子に座っていると左腰痛が出る。

所見:左肩関節外転130度でロックする。

施術
メガネを取る際に、「ん?!」と感じたので、良く観るとレンズの表側がエネルギー不足。
エネルギー補充~。

座位で左斜角筋にタッチして、筋緊張を取る。
 →左肩関節外転で腕が耳に着く。

伏臥位で左大腿直筋と小殿筋のカウンター。
 →カエルの足みたいに股関節外転させて、膝関節屈曲位。
 →大腿骨を股関節に向けて圧を軽くかける。
 →これで大腿直筋と小殿筋の緊張が消失する。(後述)


側臥位で胸郭の可動性を開放。
 →両手で肋骨を把握して、前後にツイストさせて可動制限部位を探す。
 →制限部位に対して押したり引いたりせずに、軽い圧で保持する。
 →軽く把握していると、肋骨が動き出すのを感じる。

更に側臥位のまま、左肩甲挙筋の起始停止部にタッチ。
 →これで肩甲骨の動きが良くなります。
 →「肩甲骨はがし」をする方は、先に肩甲挙筋を緩めた方が肩甲骨が動きやすいです。

頭頚部を検査すると、
後頭骨が左回旋制限、頸椎全体が右回旋制限があった。
仰臥位のまま、両側の肋骨側部にタッチ。
これで頭頚部の可動制限が解消。

2回目(4日後)
数日は左上背部の痛みは非常に軽かったが、再発したので眼鏡を変えたら治ったとの事!
左肩関節外転は耳に着く。腰痛もない。

左前鋸筋力80%。
 →座位で肋骨(脇)に手を当ててる。
 →体幹が左右に回転し出すので、正中に落ち着くまで待つ。
 →前鋸筋力正常となる。

左右のパトリックテストで可動性低下。
更に膝を立たせて右倒しがきつい。
 →このパトリックテストと膝倒しの可動制限を良くするには、
  足関節の背屈・底屈で動きの悪い骨(関節)を見つけます。
  大抵は立方骨、第4中足骨底、踵骨隆起にあります。

 →左立方骨の可動性が良くないのでタッチ。
 →パトリックテストと膝倒しの可動性が良くなる。
 
前回同様に肋骨修正。

考察
今回はまたメガネの問題になりました。
ご自身で気づいてメガネを取り換えたのが良かったですね。
エネルギーを補充しても変わらない品はあります。
そういう品は身に付けない方が良いですね。

眼からの情報は脳に対して80%~85%ほど疲労を与えるそうです。
眼が覚めたら直ぐに疲労は蓄積して行きます。
PC、スマホなどの刺激性のあるものを長時間見続けると、色々な症状が現れます。


今日のお勉強~
大腿直筋の起始部は①下前腸骨棘、②寛骨臼下溝が知られています。
しかし、もう1つの起始部が83%の人にあるそうです。
それが「第3頭」と言われ、浅層では小殿筋、深層では腸骨大腿靭帯と連結しています。
小殿筋のトリガーポイントの関連痛が臀部から下腿外側に走る痛みとして知られていますが、
小殿筋を調整しても、中々緩解しないケースがあります。
その原因としては、大腿直筋の緊張が取れていないのかもしれません。

20190801_04

参照:https://www.jusei-news.com/gakujutsu/feature/2019/08/20190801_01.html

完。

歯の治療後に、痛みが取れなくなる事があるようです。

歯科医は神経を抜きました。
本人は「まだ痛い。」

しかし、歯科医は「もう、どこも悪くない」と。
本人は「まだ痛い。」

神経を切除しても痛みがある。
矛盾しているようですが( ̄0 ̄)

症例:50代 女性 教員 
現病歴:10年前に右奥歯の神経を抜く。
その後、10年の間に「後頭部痛、顔面痛」が発症。
ペインクリニックでブロック注射しても効果なし。

既往歴:多々あり。
 激しい頭痛が出現するが、頭部MRI・CT異常なし。

所見:大〇頭三〇神経痛症候群と診断される。

施療:肩甲帯の緊張した筋力を弛緩させる。
鼻骨の調整で項部の筋緊張を弛緩させる。

更に観ると( 一一)
右耳からの圧が抜けていない。
 →気象病みたいなものです。
 →外の気圧が低くなると、中からの圧が外に出ようとします。
 →これが出ないので右側の頭蓋内圧が高まります。
 →エビデンスでは語れないですけど。

耳を引く。
 →外へ抜ける。

左大脳の疲労を前頭骨で取る。
右眼の硝子体の圧を減らす。

施療後。
私:痛みはどうですか?
患:右後頭部の下が少し痛いです。
私:右の歯と頬あたりはどうなんですか?
患:痛くありません。

終了。

考察:
時間が無いのでカットm(__)m


アリス症候群

聴いた事あるが…
一体どんな疾患なのか?


不思議の国のアリス症候群(Alice in wonderland syndrome)
 眼の機能自体には異常が無いにもかかわらず、見ているものが極端に小さく、または大きく見えたりする症状があります。そのため、小さく見える場合には対象物がずっと遠くに、大きく見える場合にはすぐ近くにあるように感じられたりします。さらにその時、対象物ではなく逆に自分の体全体や一部分が大きくなったり、または小さくなったように感じる場合があります。
そこでルイス・キャロル(Lewis Carroll、本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンCharles Lutwidge Dodgsonでオックスフォード大学のクライスト・チャーチ・カレッジの数学の先生)作の「不思議の国でアリス」のなかでアリスが薬を飲んで体が大きくなったり小さくなったりすることにちなんで、英国の精神科医John Toddにより名付けられました。
原因の一つとしてエプスタイン・バールウイルス(Epstein-Barr virus)の感染による中枢神経の炎症が考えられています。あまりこの症状は認識されていませんが、ほとんどの日本人は子供の頃にこのウイルスに感染するため、このような症状を体験した人は比較的多いかもしれません。



この様に、説明されていますが、
どうなのか??

私の治験を書いてみます。
当然、ご家族の承諾を得ております。

症例:高校生 男子 (9224) 平成30年3月28日初診
主訴:頭痛
副訴:鼻炎、アレルギー、車酔い

現病歴: 中学1年になり頭痛(色々な部位)と鼻炎、アレルギー、車酔いが起る。
 →頭痛は通常は10段階評価で「5」で気にしたら痛みを感じるレベルという。
  本日は「7」。

既往歴:小学4年生の時に高熱(上記のEBウイルス感染)を発症してから「アリス症候群」と診断される。
 →文字などが小さく観える事が多い(1回/1~2か月)
 →これが10分間ほど続く。

所見:両上頭斜筋と胸鎖乳突筋に緊張あり。

施療
心臓
硬膜静脈洞
蝶形後頭底
鼻骨
右眼の左側の視野調整。

2回目(5日後)
施療翌日に頭痛悪化。
現在「5」レベル

硬膜静脈洞
仙尾靭帯
EV-4(16回/分)

3回目(2日後)
頭痛同じ
高校の入学式の時に頭痛悪化。
 →人が多いと悪化すると言う。

ブラインドスポットでは、
盲点が検査紙からはみ出て、
左右共に検査結果が分からないほど。

硬膜静脈洞
左頭頂葉の圧力が膨張気味。

右上の注視で筋力テスト弱化。
 →右膝蓋腱と上腕二頭筋腱叩打。

施療後のブラインドスポット検査では、
左右共にほぼ普通の状態。
EV-4(12回/分)

4回目(6日後)
1回だけ「10」が「20」レベルに上がる。
→この時は授業中(人が多い)
その後は「5」レベル。
「0」の時もあった。

ペンを本を読む「縦と横」の流れで眼球運動検査。
 →双方共にサッケードが出るが、次第に正常になる。
硬膜静脈洞
EV-4(13枚/分)

5回目(5日後)
硬膜静脈洞
立たせて前方の視覚領域を観る( 一一)
ある距離の所に1つ壁があるように観えた。
その壁の前後は認識出来ているようだった。

母親を立たせて、
患者に母親を観て貰い筋力テストを行う。

その壁の前後では筋力正常。
壁の距離に立たせて観て貰うと筋力低下。

仰臥位にて、
頭蓋タッチにて、その距離の壁を消す。

施療後にはその壁は無く。
母親を立たせての筋力テストは正常だった。

考察
6回目の予約をしてもらっていたが、
母親から「頭痛が無くなりました」との電話を受けて終了。

ブログに書いても良いですか?と聞くと、
了解を得たので書いてます。

この患者さんである当人も、
「僕の事ブログに載るかな?」と言っていたそうです。
 →つまり、頭痛が本当に解消されているということ。

誤解が無いようにしてもらいたいのは、
この「アリス症候群」が寛解したかどうかは分かりません。
この疾患で随伴する「頭痛」に関しては今の所解消されているという所です。


この一定の距離の認識状態。
案外と多いです!

想像して欲しい。
大人数いる空間で、
ある所が認識出来ないで、
その前後は認識できる(?)

その時の脳はどのように処理・認識しているのだろうか?
とても混乱すると思います。

しかし、
この患者さんは、知能優秀。
中学生の時は主席なんです!

この状態でとても大変だったと思います。

以前にも書いた、
視力が「1.2」だったのが、「0.2」になったケース。

あの時も左後方の空間認識に問題がありました。
そこを「指パッチン」で「1.2」へ戻りました。

医学的に原因の分からない症状。
だから施療方法もエビデンスはありません<(_ _)>

でもそれが効くという現実。

まだまだ人の心身は、
医学的には解明されていない事が沢山あると思います。








頸部の回旋制限。
単に頸部に付着する筋群が原因なのか?

私は基本的に体幹(胸郭)の問題を修正して、
それから頸部を観ています。

症例:40代 女性(9019) 平成29年12月12日再診
主訴:調子は良い。少し左腰痛。第3頸椎に左回旋制限あり。
所見:仰臥位で両膝を立て右へ倒すと左腰痛あり。

施療
右円錐靭帯カウンター
 →仰臥位で両膝を立て右へ倒すと左腰痛消失。

硬膜静脈洞。

良く観ると( 一一)
左冠状縫合に抵抗あり。
暫くタッチすると第3頸椎の左回旋制限が消失。


症例:40代 女性(9014) 平成30年1月11日再診
主訴:左頸部と左肩周囲に痛みあり。
所見:右肩関節外転制限あり。
 左短上肢-2cm

施療
左上葉。
S状結腸。
硬膜静脈洞。
 →良く観ると( 一一)
 →右下4番歯に抵抗を感じる。

私:右下の歯は虫歯か何かある?
患:去年の10月に右の上下の6番を抜歯しました。

右下4番歯にタッチ。
左短上肢-2cmが消失。

更に良く観ると( 一一)
左前鋸筋に抵抗あり。
座位でタッチ。
 →右肩関節外転制限消失。

これで
左頸部と左肩周囲に痛み消失。

土台となる胸郭ではなく、
顔面頭蓋が問題で頸部の症状が出るケースもあります。

原因が分からないと、
沢山の検査をしないと的が絞れません。

感じるものが分かれば、
施療は早いです。


6月18日は埼玉「荒木寛志セミナー」でした。

飛行機に乗ると耳が詰まりますね( 一一)
あくびをするように少し下顎を開けようとすると、
口蓋帆張筋(こうがいはんちょうきん)が働いて、
耳管が開いて来ます。

これが「耳抜き」です。

耳閉になると主に「「めまい」や「難聴」が起るようです。


症例:60代 女性 (平成29年6月7日 再診)
主訴:側頭部痛
現病歴:5月中旬に飛行機の乗った時に機内が寒く、発症。

施療
噴門、幽門
C5
右縦隔
硬膜静脈洞
C1左回旋制限を眼による筋エネルギーテクニック
 →頭痛10→7

篩骨の解放

眼を観る( 一一)
右眼の左側の空間認識がよくない。
 →通す。
 →頭痛10→1

2回目(3日後)
頭痛10→8
病院でCT検査 →異常なし

上頭斜筋カウンター
右側頭後頭縫合の解放
右耳引き
 →中耳をイメージするとツチ骨付近に抵抗あり。
 →その組織を耳を介して牽引。
 →頭痛消失。

考察
3回目の予約の前日に電話があり、もう痛みが無いとのこと。
行きたい所があるからキャンセルしたいと。

耳引きは耳孔の付近を掴んで、後上方に軽く引きます。
今回は側頭骨のバランスをイメージするのではなく、
中耳の耳小骨バランスをイメージしました。

ツチ骨を介して「口蓋帆張筋」をリリースしたものなのかな?
と思う次第です。
実はこの方、
1年前にも寒さで同症状がありました!

その時には、
胸郭と頸椎、眼のアプローチ4回で消失していました。

人が地球上に存在しているために、
外圧による身体の圧力変動は色々な症状を呈します。
そこがミソです。

観えない空気の圧力も、
観える人の圧力(ストレス)も。

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